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2016年2月 3日 (水曜日)

2016年1月8日 資格外活動超過に注意

留学生新聞ニュース 2016.1.7号 から転載

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★★留学生の資格外活動超過に要注意(その2)★★

●単発の違反にも 厳格対処~法務省入管

 ラオックスの大阪道頓堀店において、留学生らが資格外活動として認められた法定
就労時間を超過して稼働し、集団摘発された事件は、留学生のアルバイト実態をいか
に把握し、適正に管理していくかという、十数年来の課題を改めて浮き彫りにした。
法務省では先の入管法改正で、雇い主の側に対する罰則も強化しているが、今回のよ
うな大規模なケースに止まらず、「単発の違反であっても厳しく対処する(入国管理
局関係者)」方針を改めて鮮明にしており、従来にも増して個々の留学生に対する
ルール厳守の徹底が求められそうだ。

 警察庁が公表している「来日外国人犯罪の検挙状況」によると、平成26年の1年間
に入管法違反で検挙された「留学」生は798人。この内、「留学」生の資格外活動許
可違反者だけに絞った統計はないが、在日外国人全体でみた資格外活動許可違反は
389件と前年より15%増えているのが現状だ。もっとも、法務省東京入国管理局の関
係者は『留学生新聞』の取材に対し「(主要な留学生送り出し国である)周辺国の経
済力が上がってきており、個々の経費支弁能力も高まっていることを背景に、留学生
の資格外活動許可違反自体はかつてに比べれば目立たなくなってきている」と語る。

 その一方で、高収入を呼び水にした風俗関連業等のアルバイトに、違法であるとの
認識が希薄なまま関与してしまうケースは今なお後を絶たず、こうした仕事の情報を
得るルートも、従来の口コミから、SNS等の情報ツールを活用した無差別的な形態へ
と変化しているという。

法務省関係者はラオックスのケースも念頭に、強制退去の対象となる「『専ら』資格
外活動を行っている場合だけでなく、単発の違反でも、次回の在留期間延長や在留資
格更新手続きの際にマイナス要素となる」として、留学生らに「28時間ルール」を守
るよう促すとともに、受け入れている各教育機関の関係者らにも改めて指導を呼び掛
けた。

〈解説〉
 入管難民法においては、第19条でいわゆる「資格外活動」の範囲を定義した上で、
第70条及び73条では違反した場合の罰則を具体的に規定している。
この内第70条では「在留資格の活動以外の事業運営活動、報酬を受ける活動を専ら行
っていると明らかに認められる者」に、「3年以下の懲役若しくは禁錮もしくは300万
円以下の罰金」が科せられるとしている。

 かつてこの「専ら」の解釈を巡っては、資格外活動許可に違反した留学生と、退去
強制手続きを取った入管当局との間で訴訟となった事例が複数出ている。その際の
判例では、どのような事例が「専ら」に該当するかは、資格外活動の結果として本来
の在留資格(留学)に属する活動が失われたか、実質的に変更されたか否かをもっ
て厳格に判断すべきであり、退去強制に関わる要件はあくまでも限定的に解すべし
との解釈が定着している。これに基づけば、許可を受けずにアルバイトに従事した
り、週28時間を超えて稼働した場合、入管法違反による刑事罰の対象とはなって
も、それ自体が同法24条に定められた退去強制事由に直結するわけではない。

 だが、「専ら」資格外活動を行っていなくとも、その許可範囲を超えるなど違反が
あった場合は「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し、
又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する」ことが同法73条に明記されてお
り(更に禁錮刑となった場合、退去強制手続きの対象となる)、73条違反で摘発され
た場合についても、次回の在留期間延長や在留資格更新に決定的な悪影響を
及ぼすことは明白だ。

 実際に資格外活動許可違反で在留資格更新等が難しくなった留学生の中には
「アルバイト先の店長から人手不足なのでと懇願され、勤務超過を続けてしまっ
た」とか、「周りの留学生もやっているから多少の時間オーバーは問題ないと思った」
等の声が目立つ。一部には勤務先を2,3か所に分散させた確信犯的な手口も見られ
るが、在留カードとマイナンバー制度の整備により個別の所得情報が漏れなく把握さ
れる今、違法行為は筒抜けとなることをあらかじめ認識しておく必要がある。

 これらの違反は留学生全体の中ではごく一部とはいえ、中には資格外活動のルー
ルを逸脱したために在留資格を更新できずに、内定していた就職をもふいにしてし
まった人がいるのも事実だ。後々「こんなはずではなかった」と後悔することになら
ぬよう、留学生自身、日頃から細心の注意と自己管理が大切だろう。 
そして教育機関の側も、近く新年度を迎えるに当たり、資格外活動のルールや運用方
針、違反した場合の代償などについて、在籍留学生に地道かつ具体的に伝えていく取
り組みが欠かせない。

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